第243章

島宮奈々未の母親の墓がある霊園。丹羽光世は場所を知らなかったが、そんなのは簡単だ。誰かに聞けばいい。

 誰に?

 いちばん手っ取り早いのは、もちろん島宮徳安だ。

 丹羽光世はすぐに島宮徳安へ電話をかけた。

 その頃の島宮徳安は、藤原園歌の墓前で手を合わせていた。奈々未が結婚したと聞いて、報告がてら顔を出し、ついでに近況でも話そうという気分だったのだ。

 島宮奈々未が拉致された件など、島宮徳安はまだ知る由もない。

 島宮徳安が紙銭に火を点けた、その瞬間。携帯が震えた。

 着信名を見て――。

 一瞬だけ意外そうに目を瞬かせ、それから徳安は笑った。墓石に向かって言う。

「園歌、見...

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